社長の哲学(致知出版社) ありがちな話ではなく、泥臭い実体験が多く書かれている。
人間は生まれてから死ぬまでの間、ずっと苦労です。苦労を避けて通ったら、何も“成就”すること
なしに人生は終わってしまうのです。(MKグループオーナー 青木定雄氏)
人にはそれぞれ違った個性があります。それと同じように、人それぞれの幸せというものにも違い
があります。自分が“今持っている幸せ”に気がつけば、もっと幸せな人生が送れるのではないか。
私はそういうふうに思っております(イエローハット相談役 鍵山秀三郎)
因果倶仁(いんがぐじ)-自分のきょうは過去の積み重ねとしてある。将来がどうなるかは“今現在やっている
日々の姿”を見ればわかる。商道とは仕事を通じて人のために役立つことである。なんでもとにかく
相手のためになることを第一に考える(ドトールコーヒー社長 鳥羽博道氏)
欲というものはとても怖いもの。とくに目先の欲というものは人間にとって最も怖いものだとつくづく思う。
その時々でどう考え、どう行動するかによって、人生は大きく変転していくもの。“考え方”ひとつ、“行動”の
仕方ひとつによって人生は大きく発展していく可能性がある。経営者として強くなっていくには悲しさ、苦しさ、
淋しさ、辛さといった痛みによって“鍛え”られなくてはいけない。(大創産業 矢野博文社長)
4人の体験や考え方が書かれた1冊。
共通していることは「利他」「自己否定 現状否定」「目先の損得や欲で動いてはいけない」
これらの考え方を一貫してできる個人パーソナリティ。
ビジネスで成功して経済的にもたいへん豊かになられた4人だが、苦労の大きさや苦しさ、悩みの大きさは
普通の人間が体験することのないスケール。
経済的に豊かになるということはそれだけ苦労や苦しみを体験し、それをどれだけ乗り越えてきたか
ということ、決して“気楽”でありながら経済的豊かさを手に入れるなんてことは世の中に存在しないということ。
“ホームレス生活は3日やったらやめられない”という話を思い出した。