すでにアニカは寝ていた。

その瞬間、甲子園球場の上空には4機のヘリコプターがぐるぐると旋廻していた。
 
 
タイガースが実にオレの生後3回目の優勝を果した。すでに寝ていたがアニカ1歳にして1回目の優勝。そして次の瞬間、岡田監督は球団を裏方で支えてきたトレーナーやスコアラーたちと握手を交わしてから選手達が待つピッチャーズマウンドの方へゆっくりと歩き出した。
 
本当に人柄が出てるなあと感じた瞬間だった。
まるでスポットライトは彼ひとりを照らしているように思えた。
 
 
きっと選手からも厚い信頼を得ていることだろう。
85年タイガースで優勝を経験しその後、タイガースのスター選手にとって宿命とも言えるメディアの過剰な報道によりゴタゴタした印象を残しオリックスでその選手生活を終えた。
 
 
挫折や屈辱を味わった選手時代があったからこそ今の彼があるのだろう。
 
 
今日は岡田監督の父(故人)の誕生日だそうだ。
 
 
 
シャワーの後、キャデラックのロゴマークが刺繍されたバスローブを着てゆかりが作ってくれた芋焼酎 紫(ゆかり)を飲みながら優勝の瞬間を迎えた。
最高にいい気分!本当におめでとう!岡田阪神。
 
 
優勝監督インタビューで岡田監督のお父さんの話が出てちょっと“ウルッ”としかかったその瞬間、ゆかりがひと言「お風呂入ろっと」
 
 
・・・・・・・・・「OK!」

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