フロリダのタンパで大阪出身、36歳の二人が投げ合った。ともに2005年の初仕事だ。
メジャーで100勝1860奪三振の偉大な投手も昨シーズン、LAドジャースを解雇され今年はデビルレイズとのマイナー契約からスプリングキャンプをスタートさせた。残り1人の先発投手枠を実力で手に入れたNOMO。日本人の誇りだ。約7億円の年俸は10分の1にダウンした。過去に何球団渡り歩いたことだろう?同じ顔をした者同士が島で働くこの国の人間には想像もつかないタフガイになった。
かたや昨年まで甲子園球場で熱狂的なファンから「かっとばせ~藪!」と声援を送られ阪神タイガース一筋に投げてきた藪。フロリダの太陽を浴び続けたのだろう、渋谷女子高生?級のガングロだった。大量リードされた負け試合の1アウトフルベースというピンチでマウンドに登場。コントロールには絶対の自信がある。
試合の途中からだが全く対照的な日本人投手の投げあいとなった。経験の違いはあってもマウンド上ではもちろん対等だ。メジャー初登板の藪は緊張でゲータレイドを飲むことも忘れたことだろう。
結果的に二人ともナイスピッチングで新チームのメンバーから信頼を得た。特に藪はフォークボールにかなりの手ごたえと自信を掴んだと思う。藪からYABUになった日。
NOMOはこの試合がメジャー先発300試合目。復活の勝利。
二人にとって生涯忘れられないピッチングになったことだろう。